RTTY FSK vs AFSK


Updated on 2010.Spe.28

 FSKとAFSK、果たしてどちらが良いのでしょう。

 誤解があるように思いますが、適切に調整されたAFSKの信号は決して汚くはありません。昔からのRTTYerの方は昔のAFSK信号(二つのトーン発信器を無理やりに切り替えた)のイメージが強いと思いますが、サウンドカードで送信するAFSKは、

1) 位相の急激な変化はない。
2) 送信開始、送信終了時に振幅コントロール(帯域が広がらないようにする処理)が入っている。

の2点で送信帯域幅に関してプログラマーは気を遣っているのです。

 特に2)はCWのキークリックと同じようなモノで、RigのFSKで実現されているかどうかはRigによるのだと思いますが、効果は大きいです。SSB送信時のリニアリティが優れているRigではむしろAFSKの方が綺麗かも知れません。それに運用が簡単です。
 もっとも「適切に調整された」という枕詞が入っているのが曲者で、これが成されていないと全てが台無しになってしまいますが、その点にさえ注意を払えば問題ないとも言えます。

 それでも私は現状ではFSKモードの方が優れていると思います。

 理由は簡単で、現在の多くのRigがFSKモードでしか受信用の狭帯域(500Hz or 250Hz)やRTTY専用にチューンされたDual peak filterのようなIFフィルタを使えないからです。

 これらのフィルタはQRMの抑止はもちろんS/Nの改善にさえ効果を発揮します。MMTTYやMMVARIの前置フィルタのように、オーディオ段に入っているフィルタはAGCループの外にありますので十分な効果は期待できません。

 CWを運用する際にオーディオ段のアクティブフィルタだけでは厳しいのと同じように、RTTYを運用する際もIF段にフィルタを入れる方が良いに決まっています。

 ということでRigメーカさん。DATAモード、せめてLSBの時だけでも良いので、IF段の狭帯域フィルタまたはRTTY専用フィルタを入れられるオプションを追加して下さい。RTTYに限らずPSK31やその他のSSB変調でしか利用できないデジタルモードでも威力を発揮するでしょう。デジタルモード愛好者に対して十分なアドバンテージになると思うのですが……

 WindowsでFSKをサポートするのはだんだんと厳しくなってきました。今後恐らくタイミングに厳しい処理は専用のハードがなければますます厳しくなってくるでしょう。そこにビジネスチャンスがあると考えることもできますが、少なくともハイエンドのRigにはいろんな選択肢を設けても損はないのではないかなぁ〜と思います。